先日 まんまる育児中の二人のママから 4か月健診で股関節がかたいということを指摘されたと連絡がありました しかも 一人はスリングを見た瞬間に医師が 『あ、それ駄目ね。それのせいだね』と言われたそうです 私が11年開業してきてまんまる育児とスリング愛用者で 股関節がかたいと指摘されたケースが度々あります しかし一件も股関節脱臼をおこして大変になったケースはありません ほとんどが経過観察で問題なしか大学病院でレントゲンまで撮って問題なしでした 

逆に股関節脱臼疑いで装具をつける予定の赤ちゃんのママが 何とかならないかと必死に調べて私の所へ依頼が入り 伺って拝見したら 本当にそうなのか?と思ったので そこから2週間まんまる育児をして受診したら 装具をつける必要がなくなったととても喜ばれたこともありました

何故 小児科医や整形外科医にスリングは駄目と言われてしまうのか?まんまる育児を信じてやってきたママ•パパたちの為に これからまんまる育児をしようと思っているママ•パパの為に 私の考えを述べておこうと思います 長くなりますので興味のある方は読んでください 医学的根拠が足りない方と思う方は 以下の二冊の本を購入して読んでみて下さい

まず 何故 まるく育てた方が良いかということです それには赤ちゃんの背骨の発達について理解しておく必要があります

胎児は ママのお腹の中にいるときは 子宮の中で丸くまとまった姿勢をとっています 膝を抱えて顎をひき 腕は胸の前に抱えています これが胎児の基本姿勢です このときの背骨は 首からおしりまでが滑らかなCカーブを描いています

では 生まれてからはどうでしょう?生まれると重力の影響を受けて この理想的な姿勢をとることが難しくなります もうお腹の中じゃないのだから まるくいる必要がないとか背骨が丸くなって曲がってしまうという声をききますが 本当にそうなのでしょうか?

私の所に通って来られるママ•パパは 歯科医や小学校の先生 医師や助産師•看護師•保育士が多くいます その方たちがまんまる育児をしてこんなに良いことがあったと聞く度に ますますこれを世に広めたいと思う位なのです 

特に歯科医師の話は興味をひくものがあります 『最近 毎月1〜2人位の幼児が転んで歯をおってしまい見て欲しいと』いう依頼があると教えてくれました ご自分のお子さんをまんまる育児をしてきたので『うちの子は 転んだ時は当たり前のように手が出て頭や顔をぶつけることがあまりないし ぶつけても歯をおる程の衝撃などないのですが やはり手が前にこない抱っこ紐や早く縦抱っこをすることで 背中や腰もかたくなって はいはいを沢山しないで歩いてしまうので 手の力も弱いんでしょうね』とおっしゃっていました

赤ちゃんの発達のセミナーに行っても 歯科医が勉強に来ており お話を伺うと早くに縦抱っこをして頭を支えられてないので 口が空いて鼻呼吸出来ず 口呼吸の子が増えている 口をしっかり閉じれないと物をしっかり噛むことが出来ないので 固いものが食べれず 丸呑みしてしまう 結果的に顎の発達が悪く 歯が生えてきた時に歯茎に綺麗に歯が生えずに矯正となる子も増えているので 赤ちゃんの発達や育児を勉強しに来ているとのことでした 赤ちゃん歯科ネットワークという団体がそのことを発信しています 興味のある方は調べてみてくださいね

小学校の先生からも衝撃的なお話を聞きます 跳び箱を飛ぶのに手をついたら骨折してしまうお子さんがいたり とにかくマット運動が一苦労なお子さんが増えているとのこと 

私の子どもの小学校入学説明会では 和式トイレにしゃがめない子が増えていて 洋式トイレが大渋滞になり休み時間にトイレが終わらないので 入学前に和式トイレの練習をしてきてください と言われて驚きました 案の定 まんまる育児をしてこなかった私の子どもはしゃがむとかかとが床につけられずとても和式トイレを利用できる状態ではありませんでした ところがまんまる育児で育てたお子さんはしゃがみ姿勢がとても安定していて お尻を床につかずにしゃがんで遊んでいるので 背中や腰の柔らかさや腹筋や背筋のバランスなどがとても良いと感じています

話が少しそれましたが そういった訳で これらの様々なお話を聞く度に 赤ちゃんの発達を正しく理解した上で 育児をしていくことがとても大切だという思いは深まるばかりです では 本題に戻って 何故 丸く育てていく必要があるかについてですが

赤ちゃんがすぐに泣きやみぐっすり寝てくれる本:渡部信子著では 

『人間の赤ちゃんは、他のほ乳類とくらべると、著しく未熟な体で生まれます。 

テレビの動物番組などで、鹿や馬が出産するシーンが映ることがありますが。ああいう動物の赤ちゃんは生まれてからしばらくすると、もう自分の足で起き上がっておっぱいを飲み始めますね。

多くの動物は、あのくらいまで体がしっかりしてから生まれてくるものです。そうでないと、野生の環境ではとても生きていけないにでしょう。

けれども、人間は脳がとても大きい動物なので、体が他の動物並みに成長するまで待っていると、頭のサイズオーバーで出産できなくなってしまいます。

だから人間は、赤ちゃんが未熟なうちに出産し、外に出てから体と脳を成長させるように進化した。そうせざるを得なかったそうです。

一説には、人間は鹿や馬などに比べて1年、チンパンジーなどの類人猿と比べて3カ月早産だとされています

生まれて間もない赤ちゃんは、成長段階としては胎児と変わらないのです。少なくとも首が据わるまでは、胎児と同じように育てる。これが、赤ちゃんが快適に過ごすためのポイントです。』

実際 まっ平な場所に寝かせると・・・ 

赤ちゃんは右か左どちらかに向き 手は万歳だったり片方は万歳で片方が伸びた状態 

足は顔がむいている方と逆側が伸びて 片足が曲がった状態になります 

そうすると柔らかい赤ちゃんの頭は二週間でも変形してきて 飲んでお腹がいっぱいになって寝たなと思って寝かせると起きる様な状況になっていることが多いのです 抱っこやおっぱいの時に反り返ってしまう赤ちゃんもいます 

赤ちゃんは同じ姿勢でいて 辛くなっても 向きを自分で変えることはできません

同じ方向ばかりをむいていると頭が変形し 顔の歪みも生じ 噛み合わせまで影響します 首も寝違えたような状態になって哺乳にも影響します 両手を上げた状態が続くと肩こりを引き起こし 背中までこってきます 足が伸びた状態だと腰がかたくなります

それを必死にほぐそうと泣いたり反り返っているのでしょう

また 神経小児科医の林マリ先生監修の『やさしく学ぶからだの発達』ではこのように書かれています

『姿勢・運動発達の発達に問題のある子どもたちは、新生児期の体軸のずれをそのまま残して発達していることがよく見られます。この体軸がしっかりした1本の柱となるように、同時に、滑らかさとしなやかさを獲得できるように体験し学習する機会を支援することが、協調した姿勢や運動の発達を可能にするかなめとなるでしょう。』

つまりこれはどういうことかというと 赤ちゃんは筋力がないので 支えてあげないと上の新生児のイラストのような姿勢になってしまうのです しかし その非対称姿勢でいると体軸がずれて 姿勢•運動発達に問題を生じるということです

そのため この非対称姿勢をそのままにせず対称に かつCカーブをキープできるような抱っこや授乳姿勢 寝かせ方が大切なのです

 

その育児方法の中におひなまきやハンモック バウンサーやまるく寝かせられる布団 スリングなどがあります これらはこの筋力がなく重力に負けてしまう赤ちゃんを理想的な姿勢にキープしてくれるアイテムです

ただし これらのアイテムを使ったら赤ちゃんが理想的なまるい姿勢が維持できるか?といったら やはり赤ちゃんをよく観察してそうなれているか?辛いところがないか?を確認しながら使用していく必要があります 

抱っこ一つをみても 抱く側の体の問題もあります 肩凝りのママや反り返りがあるママは胸の前で丸く腕を組んでといっても 腕が組めないのです その場合には抱く側の体もなおしていく必要があるのです また 胎内姿勢がきちんと丸くなれていたか?ということも大切なのです だから 私は妊娠中からのケアが非常に大切だと思います

子宮が丸くて柔らかくて 赤ちゃんがきちんとお腹の中で丸くなれているか?きちんとエコー写真で確認しながらケアをしていきます 赤ちゃんはお腹の中で丸くなれていると手を口にもっていき なめたりしておっぱいを吸う練習をしています 反り腰の妊婦さんの子宮は 内臓が下がって来て子宮が圧迫を受けて お腹の赤ちゃんが丸くなれていないと手は頭にいきやすく 十分に吸う練習をしないで生まれてくるので おっぱいを吸うのも時間がかかります

また 極度の内臓下垂や逆子の場合は 足の動きが制限されるので 股関節は固くなりやすく股関節脱臼の原因になりやすいと言われています ですから 4ヶ月健診でスリングが原因というのはいかがなものかなと思います 本当にスリングが悪いと言いきれるのでしょうか?

むしろ 小児科医がスリングのかわりに勧めてくる縦抱っこ紐が本当に良いのでしょうか?

顔が上にむいて口がポカンとあき 口が閉じれず固いものが食べれない 手が胸の前にこないので 寝返りもはいはいもしにくく 歩き出して転んでも手が前に出ない 足が開きすぎて はいはいしにくい 歩き出しても閉じられず 転びやすい という状況のお子さんが増えているのが何故なのか?よく考えて頂きたいなと思います

あと余計かもしれませんが 助産師の立場からもう一つ追加させていただくならば 骨盤の上の部分にベルトがかかる抱っこ紐は骨盤を開かせてしまい 赤ちゃんの重みで骨盤の上の部分が前方に引っ張られて 反り腰を悪化させる可能性があります 尿もれや子宮脱の原因になったり 次の妊娠がしにくいなど ママの方への影響もかなりありますので 私自身はあまりお勧めしていません

もちろん スリングも体が伸びたままで 自分の胴体の幅から頭や足が飛び出していると ぶつかった衝撃で脱臼や頭をぶつける危険はあります また スリングは最初の抱っこが肝心なので 最初の抱っこが悪いと赤ちゃんの良い姿勢は保持できません 私も以前 街中でとても低い位置で 赤ちゃんの体が伸びた状態でスリングをしているママを見つけて とても危険だと思いました それで事故などがおこってくれば スリングは危険という認識になりかねないと思いました

また いくらスリングが良いと言っても 3人目のママに多いのが 上の子の用事で一日をスリングの中で過ごし 体を動かしたり伸びたりする時間が極端に少ない場合には 丸くかたまってしまって確かに股関節がかたいということもありました 気がついてスリングからおろす時間や足を動かす機会をきちんととってもらったら 解決しました

あと 最近感じるのは スリングでも布が伸縮性がありすぎると 布が赤ちゃんの重みで下がってきて 赤ちゃんがリラックスせず まるくかたまる傾向があるということ そう考えると布は綿で伸びすぎないものが良いこと 赤ちゃんのまるい良い姿勢をぴったりホールドできる調整が効くものが良いと思いました 伸縮性が良いと抱くまでは早いですが そんな落とし穴があるとは••• すでに 伸縮性のある抱っこ紐をご利用の場合はおひなまきをしてからのご利用をお勧めしています

スリングでも 中には早くから縦抱っこをしたり 足がプランと出ている抱っこをしている方がいますが 私はそれはお勧めしていません

何故なら 赤ちゃんは頭を自由に見たいものを追える様になる4ヶ月頃にやっと自力で頭を支えることができ 寝返りを左右にうったり腹這いで左右に回転をはじめて腰から上を自力でコントロールでき ずり這いやはいはいやお座りができて足先までを自力でコントロールできるので 足がプラプラした抱っこ紐を使えるのは はいはいやお座りが出来た頃だと考えています

それまでに 支えるべき所を支えないと 筋力もなく 頑張って体を支えようとして緊張してかたくなります 

首のすわりが悪いとしたら 頭をきちんと支えてあげてください 抱っこの位置が低いと頭が腕から落ちて まるで美容院でシャンプーされているような感じで長くなると辛いです 縦抱っこはあまり勧められませんが するなら上をむいて口がポカンとあかないように支えてあげてください 向き癖を作らないように お鼻とお臍のラインがあうように寝かせて 寝たきりのお年寄りと同じようにきちんと向きを変えてあげて 筋力がないのでそれが崩れないような工夫をしてください 

人間の頭は重いので首が本当の意味ですわるのは4ヶ月では無理です 大人でも電車で寝ようと思ったら 頭はどこかに寄りかかりたいものです それに 頭の大きいお子さんもいます その場合にはちょっと時間がかかることがあります ぐらつかなくなったらフリーで良いということではないのです

まんまる育児をしていて 股関節がかたいと言われてしまったら 左右の足の太さやしわ 左右の足の動きをきちんと観察してみてください 差はありますか?差がある場合には もしかしたら 脱臼の可能性があるかもしれませんが ない場合には 足指や足首を回したり 足裏合わせでパチパチしたり 足を曲げた状態で交互に動かす体操をしたり 腹這いをしたりしておひなまきをしっぱなしだったり スリングに入りっぱなしということがないようにしてみてください 

体操の方法は 本にも紹介されています

海老名では山浦助産師が教室もやっています 助産院つきひかりでも 山浦助産師の教室に加えて 私が個別ケアでご指導いたしますので 是非お越しください

長くなりましたが 最後に 私は 正しく使えれば スリングは魔法の抱っこ紐だと思っています✨